APIセキュリティツールの2つの系統

実行時の保護ゲートウェイ、Webアプリケーションファイアウォール、レート制限、ボット対策、シークレット管理。サービスに到達するものを減らします。導入するのはプラットフォームチームやセキュリティチームです。
リリース前の検証スキャナー、ファジングツール、そして認可と境界値に関する振る舞いの検証。サービスが実際にどう振る舞うかを教えてくれます。導入する、あるいは導入しないのは開発チームです。

保護だけに頼ると破綻する箇所

ユーザーAがユーザーBの注文を読み取れてはならない、ということをゲートウェイは知り得ません。それはビジネスルールであり、コードの中に存在します。そしてそこを突くリクエストは、通信上はまったく正当に見えます。正しいメソッド、有効なトークン、整形式のパス。

オブジェクトレベルの認可は、実運用中のAPIで最も多く悪用される欠陥であり、まさにどの保護レイヤーからも見えない種類の問題です。リリース前に、サービスの内側で検証するしかありません。

それぞれの系統が実際にカバーする範囲

  • ゲートウェイとファイアウォール: 既知の攻撃パターン、不正な形式のリクエスト、トラフィック量。確かな価値がありますが、ロジックは見えません。

  • レート制限: 大量アクセスによる悪用。正しく整形された悪意あるリクエスト1本には、何の効果もありません。

  • シークレット管理: 認証情報の漏洩。ここで挙げた他のどれとも独立した領域であり、備えておく価値があります。

  • スキャナー: 依存関係の脆弱性、インジェクション系の欠陥、TLSの設定。

  • 振る舞いの検証: 拒否すべきものをAPIが本当に拒否するか。最も低コストで、最も欠落していることが多い領域です。

なぜこの空白が残り続けるのか

認可の振る舞いを確認する作業は、低コストで効果も大きいにもかかわらず、広く欠落しています。この奇妙な組み合わせには説明が必要です。

原因は、2つの担当領域の間に落ちてしまうことです。セキュリティの仕事に見えるため、開発チームはセキュリティのプロセスがカバーしていると考えます。一方、セキュリティのプロセスの実体はスキャナーと年次のアセスメントであり、どちらも自社のビジネスルールを知りません。そのため、テストでカバーされているはずだと考えます。どちらの前提もその立場では筋が通っており、結果として空白は何年も残り続けます。

担当者を明確にすることが、解決のほとんどを占めます。エンドポイントを書いた人が、同じプルリクエストの中で、通常の作業の一部として認可の検証も書きます。そうすれば、誰がそのデータを見てよいのかを知っている唯一の人物に作業が置かれ、セキュリティチームの規模ではなくエンドポイントの数に応じてスケールします。

今週のうちに試す価値のある確認

アカウントを2つ作成します。一方でレコードを1件作成し、もう一方のトークンでそれを読み取ってみます。データが返ってきた場合、最も一般的で深刻なAPIの欠陥が存在しており、サービスの手前に置いたゲートウェイでは防げなかったということです。

そのうえで自動化します。この確認は新しいエンドポイントごとに繰り返す必要があり、誰も覚えていられないからです。

ターミナル

npm install -g @testsprite/testsprite-cli
testsprite setup

何もインストールしたくない場合は、ダッシュボードでも同じことができます。コマンドラインでできるその他の操作は、すべてこちらにまとめています: CLIリポジトリ

生成されるAPIプランには認可と境界値のカテゴリが含まれるため、これらの確認は四半期ごとの作業を待つのではなく、機能面のカバレッジと並んで実施されます。仕組みはこちらで説明しています: APIテストのドキュメント

ダッシュボードからリポジトリを接続すれば、すでに運用しているデプロイを起点にテストが実行されます。あるいは、自社のワークフローにステップを追加する方法もあります。

検証の系統でTestSpriteがカバーする範囲

どの保護レイヤーにも実施できない、振る舞いの検証です。未認証アクセス、オブジェクトレベルの認可、ロールの境界、期限切れの認証情報、範囲外の入力値。生成されるプランには認可と境界値のカテゴリが含まれるため、先週追加したものも含め、すべてのエンドポイントが対象になります。

稼働中のサービスに対し、そのインターフェース経由で、ディスカバリと仕様定義を使って動作します。Auto-Authenticationは実行中のセッションを維持し、Dynamic Variablesは呼び出し間で値を引き継ぎ、Dependency Chainsは実行順序を導き出し、Auto-Cleanupはその実行で作成されたものだけを削除します。

得られるのは実行頻度です。これらの確認は難しいものではありませんが、40個目のエンドポイントでは忘れがちです。そして変更のたびに実行することが、実運用中のAPIで最も多く悪用される穴を塞ぐ方法です。ゲートウェイとスキャナーは、それぞれが得意なことを引き続き担います。

TestSpriteはAPIセキュリティツールですか?

検証の系統に属し、認可、ロールの境界、境界値をカバーします。ゲートウェイでも脆弱性スキャナーでもありません。

両方の系統が必要ですか?

必要です。保護は自社に到達するものを減らし、検証は通り抜けたものに対して自社がどう振る舞うのかを示します。どちらも他方の代わりにはなりません。

WAFは認可の不備を検知できますか?

できません。WAFが検査できるあらゆる観点において、そのリクエストは正当です。そのレコードを誰が見てよいのかを知っているのは、サービスだけです。

少人数のチームでは、どこから始めるべきですか?

識別子を受け取るすべてのエンドポイントに対する、認可の振る舞いの検証です。検出率が最も高く、コストは最も低く、既存のパイプラインの中で実行できます。

それぞれ、どのくらいの頻度で実行すべきですか?

保護は常時稼働させます。検証は変更のたびに実行します。新しいエンドポイントは絶えず追加され、そのどれにも同じ確認が必要だからです。

要点

ゲートウェイは、自社のビジネスルールを知り得ません。

APIセキュリティツールは、稼働中のAPIを保護するか、APIが実際にどう振る舞うかを検証するかのどちらかです。保護は認可のロジックを見ることができず、そこにこそ最も多く悪用される欠陥が存在します。2つのアカウントを使った確認を実行し、それを自動化してください。